毎年1月7日に静岡県島田市の千葉山智満寺で「鬼払い」が行われるので見物に出かけた。 3時過ぎに車で家をでて、国道1号線で2時間足らずで5時ごろ到着。 すでに薄暗くなり、本堂への石段を上るころにはすっかり暗くなってしまった。 智満寺は、けっこうな山奥にあるお寺であったが、本堂には、思っていたより立派な、格子で仕切られた内陣があり、本尊の大きな千手観世音菩薩像(国・重文)がある。内陣は撮影禁止となっていたので、写真には撮れなかった。
式典は20時ごろから始まるとのことで、車に車中泊用のキャンプ用折り畳みベッドと寝袋をつんであるので横になり、19時過ぎになると他の参拝客も来始めたので、私も本堂へ行く。 20時を過ぎるころまでは私をいれて6人ほどしかいなかったが、その後、住職の読経がはじまる21時ごろまでには100人ほどで内陣前の畳の敷いてある広間は埋まった。 住職が読経を始めるまで、紋付き袴で提灯を持った二人が太鼓の前の人のところへ挨拶に来ると、鉦・太鼓が打ち鳴らされる。 |
これは、静岡県民俗学会編の「静岡県の祭ごよみ」によると、「7度半のお迎え」というらしく、私は数えていなかったが、7度ほど打ち鳴らされたようだ。
21時過ぎに住職が入堂し、読経が始まり、万民豊楽・無病息災を祈願して、読経の途中で、床を柱で打つ場面もあり、その後、参拝者全員の額に厄除けの法印加持が行われる。
私も押してもらったが、花祭りや霜月まつりではお湯をかけられ、川名のひよんどりでは、水垢離の水をかけられ、ここでは厄除け法印を押してもらい、今年はますます元気に過ごすことができそうだ。
22時過ぎに、本堂の扉が閉められ堂内の明かりがすべて消されて真っ暗闇になり、鉦、太鼓が乱打され10分ほどすると、三匹の鬼が松明と柱を手に現れ、柱で床をつき松明を振りかざして乱舞する。
鬼は、内陣を乱舞した後、外陣に出て、我々参拝者に火を打ち振る。
鬼が、本堂内部をあらかた乱舞すると、本堂正面の扉が開かれ、鬼は回廊に出て並び、火を三度左右に振ると、庭に投げ捨て、参拝者はその松明の燃えさしの枝を取り合う。
燃えさしを家の門口に置くと、魔除けになるそうだ。
22時半ごろ、行事は終了。
私は車に戻り、朝5時過ぎまで眠ってから帰宅した。